代表の吉崎がNHKの番組で拝見し感動した麹町中学校の取り組み。
校長先生の工藤勇一さんに連絡をし、研修会への参加を快諾していただきました。教育現場で奮闘する「カッコいい大人たち」の考え方、行動力、大変勉強になりました。以下備忘録として投稿させていただきます。(実際に話されていたことと違う解釈もあるかもしれませんが、とても感動したので是非見てみてください。)
第4回「脳科学をエビデンスにした教育のあり方研修」
日時:10月9日(火)14:30〜16:30
場所:麹町中学校
1.【ストレスと脳、行動の関係性~脳科学者の青砥さんのお話】
・ストレス正常=心的安全状態→思い描いた行動を誘導する確率が高い
・ストレス過剰=心的危険状態→思い描いた行動を誘導する確率が低い
・ストレス過剰の状態で頭ごなしに叱ってしまうと逆効果。「ストレス正常」の環境を作ってあげることが大切。
2.【学校のあるべき姿】
・生徒が自律を学ぶ場
・生徒が多様性を学ぶ場
・生徒だけでなく、先生や保護者もお互い学びあうという視点も必要。
・自律と多様性を学ぶ(いろんな人と知り合う)ことで、メタ認知を高めることができる。
・メタ認知とは自己の認知活動(知覚、情動、記憶、思考など)を客観的に捉え、評価した上で制御すること。
3.【謝れという指導はしない?!~みんなの学校の木村泰子さん、工藤先生のお話】
・A君がB君を殴ってしまった場合のゴールは「B君が安心してA君の隣に座れること」
・そのためには頭ごなしに「謝れ」というだけでは解決しない。その場は取り繕っても影でもっとひどいことになる。
・問題解決のためには「A君が人を殴らない人物になること」が必要。
・そのために、双方の話をしっかり聞いてあげて、自分がされて嫌なことを相手にしないために今度どうすればいいか?を一緒に考えてあげる。
・つまり、「子ども自身がその行為をどう反省するか?(自律)」が大切。
4.【トラブルは起こって当たり前~みんなの学校の木村泰子さんのお話】
・トラブル=よくない(クレームになるし、できるだけ起こしたくない)と考えるか
・トラブル=ラッキー(もっとよくする学びのチャンス)と考えるかで対応が変わる。
・トラブルが起きるのは「子どもたちがありのままの自分を出しているから」
5.【50年前とこれからのギャップ~みんなの学校の木村泰子さんのお話】
・50年前につくられた学習指導の基準と、これから先の学習指導の基準は違って当たり前。
・小1の子供がイスに座らない=問題と決めつけるのは本当に正しいのか?
・小1になる前の6年間の環境が人によって全然違うので「あたりまえ」の基準簿押しつけはよくない。
6.【大空小学校は風呂敷~みんなの学校の木村泰子さんのお話】
・教育制度、学校は「頑丈なスーツケース」のよう。長い棒の子はへし折られてしまう。
・大空小学校は風呂敷みたいな学校を目指した。どんな子もしっかり包み込んであげたい。
7.【認知性柔軟性の大切さ】
・期待とズレた場合、否定になってしまう。
・そのときは自分が認知的バイアスにかかっているということを認識すること(これは当然こうあるべきだという先入観)
8.【まーちゃん~みんなの学校の木村泰子さんのお話】
・障がいをかかえた、まーちゃんが入学式の場で「あー」と声を出した。
・それを聞いた生徒たちは一斉に、まーちゃんの方を見た。
・そこで木村先生は「今は前で話している先生を見る時間なのに、なぜまーちゃんの方を見たのか正直に言って」と生徒に話した。
・生徒たちは「びっくりした。みんな静かなのに、1人だけしゃべっていたから。ちょっと変なのかなと思ったから。」と口々に言った。
・そこで木村先生は「みんなだったら、一斉に振り向かれてうれしい?」と聞くとみんな「嫌だ」と答えた。
・そして木村先生は「だったら、何か理由があって声を出したのだろうから、みんなで振り向く必要はないよね」と生徒たちに話した。
・その子たちが小学6年生になった時、他校の特別学級で働いていた先生が、大空学校に来た。
・授業中、まーちゃんが急に立ち上がって声を出したところ、その先生は「しー」というジェスチャーをし、まーちゃんを黙らせようとした。
・すると生徒たちが「先生、なんでまーちゃんを黙らせようとしたの?何か言いたいことがあるのかもしれないよ。まーちゃんが声を出したことで、僕たちは何も困っていないよ。」と言った。
・すると、その先生は顔面蒼白で黙ってしまった。
9.【トラブルが起きたときの2つのルート~脳科学者の青砥さんのお話】
・トラブル→怒り→指導→行動(また繰り返すことがある)
・トラブル→受容→問い→メタ認知→かっとう→ヒント→行動→ポジティブな感情
・後者の方が自立した心を育むのに適している
10.【総じて~今後に生かしたい事】
・子供にとって「自分はここにいて、本音で話していいんだ」という「安全安心の場づくり」が大切。
・できなかったことや、トラブルに関して生徒の意見に必ず耳を傾けること。
・その中で一つ一つ丁寧に「問い」をして、生徒自ら考え、反省し、行動につなげるサポートをする。
・多くの場合で認知的バイアスにかかっていることを自覚し、自分の常識にとらわれた判断になっていないか注意する。
・時代の流れや今目の前にいる生徒の心を感じ取り、既存の考えやルールで生徒を縛り付けないこと。
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