※神余くんの世界史あいらんど…河合塾世界史講師「神余秀樹」先生(吉崎の恩師)の“ちょっとdeepな”世界史をご紹介します。
★元気ですよ・2023
◆「影のお仕事」
しばらくです。忙しくしております。「この仕事、僕がやったよ!」とは、決して言えない「影のお仕事」もあるのです。例えば予備校の模試の出題etc.もそうですが、さらにもっともっと秘匿性が高くて、発注元様の名前は絶対に出せない。だからその間に入る“業者さん”もいて、もちろん匿名。このギョーカイ特有の裏事情。なんだか「隠密・忍び」稼業のような…。でも、昔から表立った形式の苦手な僕には合ってるかも。そういうわけで、忙しくしてます。元気です。(少し別世界のお仕事も増えそうで…。)
◆では、問題です。
「日本は社会主義で最も成功した国だ!」これ、誰の言葉でしょうか?
答えを言います。
昨年逝去したゴルバチョフ氏です。(実は、現在の中国の指導層もほぼ同様の認識のようです。)
意外に思う人も多いかも知れませんが、考えてみれば、20世紀の半ばの数十年は、アメリカとて政府の「規制」。鉄鋼・電力、巨大装置産業の時代。国家が司令塔。ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズらが出てくる前。
特に、日本は昭和の時代。終身雇用と年功序列、横並びの平等。大きな組織の「一員であること」で安心できた時代。(その成功体験から未だに抜け出せない?)
詳しくは、またいずれ。(お話は、「満州国」にさかのぼりますが。)
――――2023年2月18日、記。受験生諸君の健闘を祈りつつ
★神余秀樹プロフィール
1959年、愛媛県に生まれる。1978年、広島大学文学部史学科東洋史専攻に入学。中国農村社会史に関心。1980年3月に訪中。解体寸前の人民公社の実地見学や劉少奇の名誉回復など、“脱・文革”の流れを実感。韓国・朴正熙政権の経済構造に関する研究会の他、露・ナロードニキの“非西欧性”と文学の関係には没入(大学の単位制度は無視)。丸山真男の超国家主義論、竹内好の魯迅論、三浦つとむ「官許マルクス主義」批判や、高野孟『インサイダー』に強く影響を受けた。意図的・計画的な留年2年を経て(当時、学費は安かった)卒業後、電気通信系の民間企業を経て塾業界へ。世界史の“情報職人”となる。
1989~90年、在英日本人高校の講師として英国在住。産業革命遺跡などを巡る一方、崩壊直前の“ベルリンの壁”、東欧・民主化革命の現場を見る。(その後も、パレスチナ和平に揺れるエルサレム[1996]、中国への返還前夜のポルトガル領マカオ[1999]など、歴史の積み重なった現場の数々を歩いた。)
帰国後は河合塾世界史講師として30年余り。地図と年表を組み合わせて俯瞰する立体的マトリックスの手法をめざす。講義のほか模試の作成、難関大対策業務の数々、高校の先生方対象の入試研究会や研修なども歴任。
大学の市民講座は頻繁に聴講。近年は、歴史の底流たるマネーの流れにもこだわる。
目標は「難しいことを易しく、易しいことを面白く、面白いことを深く」。
★著書
『神余のパノラマ世界史(上・下)』(学研プラス、2010初版、2015改訂版)
『タテヨコ世界史 総整理・文化史』(旺文社、2009初版、2022改訂版)
『超基礎固め 神余秀樹の世界史教室』(旺文社、2018)